海外旅行の準備で悩むことの一つに「海外旅行保険はどうすべきか?」って事があります。限られた予算なので、出来れば安く済ませたいですよね。
でもあなたはいま、こんな疑問で迷っていませんか?
- 2泊3日の短期間だから保険無しでもOK?
- 実際にどのくらいの補償額が必要なのかわからない!
- クレジットカードの保険があるから大丈夫では?
そんな海外旅行保険について、必要な補償額をしっかり理解した上で、なるべくお値打ちにする方法についてご紹介します。
この記事でわかる事↓
- 海外旅行保険でどのくらいの補償があれば安心なのか?
- クレジットカードだけで補償額は大丈夫?
- 出来る限り費用を抑えて補償を手厚くする方法とは?
Contents
海外旅行保険は必要です
出来るだけ費用を抑えたい身としては、「保険に入らなくても大丈夫なのでは」なんて考えてしまう方もいますが、絶対に何か一つは保険に入って下さい。
海外旅行保険が必要な理由はこちらの2つ
- 海外で医療を受けると莫大な費用が掛かる場合がある
- 海外旅行保険に入っていれば、トラブル時のサポートが受けれる
海外旅行中に、もし病気やケガをした場合、その医療費は全額自己負担となります。
日本と比べ医療費が高額な海外では、入院したら数百万なんて事もざらです。
また、病気やケガ以外にも海外旅行中はトラブルが付きものです。例えば、ホテルの備品を誤って壊してしまい多額の損害賠償請求をされるなんてことも。
海外旅行保険はこのような医療費や損害賠償はもちろん、旅行中なにか手持ち品が壊れた際なども補償してくれます。
なので、必ず何か一つは海外旅行保険に入ってください。
海外旅行保険の相場はどれくらい?
では、実際にどのぐらいの補償があれば十分と言えるのでしょうか?
もちろん高額な保険料を払えば、それだけ手厚い補償が得られますが、この記事では「出来る限り費用を抑える事」が目標です。
その為に、これだけあればまず大丈夫と言える額をまずは理解しましょう。
ジェイアイ傷害火災保険では毎年「海外医療情報事故データ」を発表して、海外旅行保険での事故発生の情報を公開しています。
その中に書かれている事で注目すべきはこの3つ
- 事故件数の中で治療救援費用の占める割合が全体の半数弱(46.4%)
- 300万円以上の高額医療事故は1年で58件しかなく、その半数弱がシニア層
- 保険利用の96.3%は3種類の項目で占めている
上記から、必要な補償額について推測できる事を掘り下げてみます。
治療救援費用は最低いくら必要?
治療救援費用は事故件数のうち半数弱を占める事から、補償額の相場を知る上で最重要項目として考える必要があります。
治療救援費用とは?
旅行期間中の病気やケガが原因の治療に対して、その医療費を補償する「傷害・疾病治療費用」と、旅行者本人が病気やケガになった際、家族などが迎えに行く際の費用を補償する「救援者費用」の2つの項目からなります。
治療救援者費用の内、300万円をこえる事故が47件、1,000万円を超える事故は11件とあわせて1年で58件です。
ちなみにジェイアイ傷害保険の加入者は年間約120万人、保険支払件数だけ見ても約48,000件(2017年度)となっています。
これを確率的に見ると・・・
- 保険加入者が高額医療費に当たる確率
58件÷1,200,000人=0.00004%
- 保険発生事故の内、高額医療費に当たる確率
58件÷48000=0.0007%
ちなみに宝くじ(2019年サマージャンボ)の1等当選確率は0.00003%です。この事から実際にウン百万の治療費が掛かる事は、宝くじに当たるレベルでごく稀と言えます。
また以下の表にもある通り、300万を超える高額支払いのうち、約半数弱が65歳以上のシニア層となっています。
この事からほとんどの場合、300万円の補償があれば医療費は足りると考えられます。
死亡後遺障害は捨てても良いのでは?
次に注目すべきは補償項目に占める割合です。
上記の通り、1位の治療救援費用、2位の携行品、3位の旅行事故緊急費用で全体の96.3%を占めています。
つまり、上記以外の事故に遭遇する確率は相当低く、あとは捨てても良いのでは?という考え方も出来ます。
保険といえば「死亡・後遺障害」に目が行きがちですが、この部分の補償額は保険料に大きく関係してくるので、最低限の補償でも良いのではないでしょうか?
上記を踏まえ、当ブログでの海外旅行保険でどれくらい必要かまとめてみます。
・傷害死亡・後遺障害
→500万でもOK 生命保険で補える
・傷害治療・疾病治療
→300万円は欲しい 極端すぎる高額医療に惑わされない
・賠償責任
→2,000万円 事故に合う確率が低い
・救援者費用
→300万円は欲しい 事故発生の際に高額になる項目
・携行品
→20万円あれば十分 よほどブランド品を持ち歩かなければ
・旅行事故緊急費用
→10万円あれば十分 保険事故の確率の高め
極端に高額な支払いの過去の事例など、上を見ればキリがありません。どうしてもと言う理由が無ければ、最低限必要な部分だけ考えた補償金額で良いのではないでしょうか。
クレジットカードだけで大丈夫?
海外旅行保険に加入する方法は2つあります。
- 保険会社の海外旅行保険に入る
- クレジットカード会社の付帯の海外旅行傷害保険に入る
クレジットカードの付帯保険には、無条件で保険が適用される「自動付帯」と、旅費の一部をカード決済をする事で適用になる「利用付帯」の2種類があります。
保険料の掛からないクレジットカード付帯はとても魅力的ですが、果たしてそれだけで補償は十分なのか心配ですよね。
結論から言うと、年会費無料のクレジットカード1枚だけでは少々不安です。
そこでクレジットカードだけで不安な補償額に対して、費用を抑えて補償を手厚くする方法を2つご紹介します。
- クレジットカードの複数枚持ち
- カード上乗せ保険で不足分を補う
クレジットカードの補償は合算できる!?
2019年現在で日本人が一番持っている楽天カードの補償内容はこちら。
保険の種類 | 補償額 |
---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 2,000万円 |
傷害治療費用 | 200万円 |
疾病治療費用 | 200万円 |
賠償責任 | 2,000万円 |
救援者費用 | 200万円 |
携行品損害 | 20万円 |
ほとんどの項目で最低限の補償はクリアしていますが、治療救援費用は出来れば300万円まで欲しいところ。
実はクレジットカードの補償額は、有効なそれぞれの保険を合算できるのです。
例えば、先ほどの楽天カードに加えて、同じく年会費無料のEPOSカードを合算すると、
保険の種類 | 楽天カード | エポスカード | 合計 | アメックスゴールド |
---|---|---|---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 2,000万円 | 500万円 | 2,000万円 | 5,000万円 |
傷害治療費用 | 200万円 | 200万円 | 400万円 | 200万円 |
疾病治療費用 | 200万円 | 270万円 | 470万円 | 200万円 |
賠償責任 | 2,000万円 | 2,000万円 | 4,000万円 | 4000万円 |
救援者費用 | 200万円 | 100万円 | 300万円 | 300万円 |
携行品損害 | 20万円 | 20万円 | 40万円 | 50万円 |
どうです?
高ステータスで有名なアメックスゴールド(年会費31,000円!)と比較しても遜色ない補償になりました。しかも無料で付いてきます。
ただ、クレジットカード付帯の保険では、注意すべきことが2点あります。
- 傷害死亡と後遺障害だけは合算ではなく、一番大きな補償額が適用される
- クレジットカード保険では補償されない項目がある
傷害死亡・後遺障害だけは複数枚の合算ではなく、一番補償額の大きなもののみが適用されます。ただ、こちらの理由からこれはあまり気にする必要はなさそうです。
2つ目の補償されない項目については要注意です。
一般的にクレジットカード付帯では「緊急歯科治療費用」、「疾病死亡」、「旅行事故緊急費用」の3項目について、補償されない場合がほとんどです。
その中でも、海外旅行の事故項目で3番目(23%)に多い「旅行事故緊急費用」が無いことが気になります。
旅行事故緊急費用とは?
予期しない飛行機の遅延や手荷物の紛失・遅延が起きた際に、それに掛かる宿泊・交通・食事代や身の回り品の購入代を補償する保険
このようなクレジットカードだけでは対応できない補償に対して、クレジットカード上乗せ保険を活用すれば大丈夫です。
クレジットカード上乗せ保険とは
保険会社が発売している保険商品の一つです。
>>(公式ページ)損保ジャパン:新・海外旅行保険【off!(オフ)】
一般的な海外旅行保険とは異なり、クレジットカード付帯保険では補償されない項目だけをピンポイント(※補足1)で加える事で、費用を抑えて手厚い補償にする事が可能です。
(補足1)治療救援費用だけは必ずセットした申込が必須
また、カード重複の場合と同様に補償内容はそれぞれ合算が可能。そのため「補償を厚くしたい治療救援費用や損害賠償を上乗せする」といった使い方もできます。
まとめ
海外旅行保険の補償額の目安と、なるべく費用を掛けず補償を手厚くする方法についてご紹介しました。
- 実際、幾らの保険に入れば良いのか?
- 海外では高額な医療費が請求されるのでは?
- クレジットカードの保険だけでは補償が足りない
といった疑問や不安にお答え出来たと思います。
旅行傷害保険は旅の準備の重要なひとつ。しっかり理解した上で安心安全なご旅行を楽しんで下さい。
それでは良い旅に、いってらっしゃい(^^)/