航空関係の話題でよく耳にする「ハブ空港」
いったいどのような空港を表す言葉かあなたはご存知ですか?
- 大都市にある大きな空港?
- 数多くの就航便がある空港?
確かにこれらの事は、ある一定の条件ですが「ハブ空港」自体を表す表現ではありません。
では、ハブ空港とはいったいどういったものなのでしょう?
今回は現役で旅行会社で働くわたしが、ハブ空港についてご説明してみます。
この記事でわかること↓
- ハブ空港はどんな空港でなぜ必要なのか?
- ハブ空港を利用するメリットとは?
ハブ空港とは?
ハブ空港の定義とは、
「ある航空路線網内での、乗換えの中心的な役割を担う空港」です。
例えばA・B・C・Dと4つの空港があった場合、
すべての空港同士で直行便を飛ばすためには、【Aから3路線、Bから2路線、Cから1路線】の計6路線が必要です。
しかし、Aをハブ空港に設定して、全ての飛行機を必ずA経由にする事で【AとB〜C】の4路線で済むため、効率がぐっと良くなります。
ちなみに「ハブ」とは車輪の軸(Hub)の事です。
その軸を中心に「スポーク」(Spoke)のように放射線状に広がる航空路線網がイメージ出来ますね。これが言葉の由来です。
ハブ空港のメリットは?
ハブ空港の1番のメリットはスバリ!
「効率の良い乗り継ぎが実現出来る」ことです。
ハブ空港の目的は「航空会社やアライアンス同士で、乗継空港を一か所に集めて便利にする」でしたよね。
現在、世界の航空網は大きく分けて3つのグループにわかれます。
- スターアライアンス
- スカイチーム
- ワンワールド
それぞれのグループ内の航空会社同士が、共同運行便などのアライアンスを組み、乗り継ぎの利便性や座席の相互協力を行っています。
また、「ハブ空港」を拠点に持つ航空会社が中心となって、ダイヤの効率化を図ることで乗り継ぎ時間の短縮、目的地の多様化を実現しています。
理想的なハブ空港とは?
利用者にとってはもちろん、そこを使用する航空会社にとっても、理想的なハブ空港とはどのような場所でしょうか。
ハブ空港には2種類のタイプがあります。
- 航空会社のハブ空港
- 拠点都市のハブ空港
航空会社のハブ空港
一つの航空会社が、特定の空港を運用の中心と位置づけ、自社フライトを集約する事で乗り継ぎのみに留まらず、機材の運用や整備・スタッフの集約などの効率化も同時に果たしている空港の事を表してます。
代表的な例としては、アメリカン航空におけるダラス・フォートワース空港や、デルタ航空のアトランタ国際空港などがこれに当たります。
拠点都市のハブ空港
航空会社だけではなく、その広域地域の拠点として移動における中心的な役割がある空港。
「ゲートウエイ拠点都市」とも呼ばれています。
例えば「ロサンゼルス国際空港」がアメリカ西海岸の拠点として、カナダやメキシコからの便と太平洋路線やオセアニアの便をつなぐ役割を担うハブ空港です。
また、ドイツの「フランクフルト国際空港」は欧州の中心地という立地を生かし、欧州内各国とそれ以遠のバブの役割を果たしています。
この「拠点都市ハブ空港」については、近年アジア地区における覇権を巡り各空港の競争が激化しています。
欧州・アフリカへ立地面で優位なシンガポールの「チャンギ国際空港」や「ドバイ国際空港」、複数滑走路を備え充実した設備面で台頭するソウルの「インチョン空港」や「香港国際空港」など、アジアNO1の覇権争いは進行形で続いています。
日本はハブ空港を作れるのか?
そんな中、日本の空港の立ち位置はどうなっているのでしょうか?
- 滑走路の未整備
- 24時間対応出来るかどうか
- 発着料に競争力があるか
これらを考えた時、他のアジアのライバルと比べると、まだまだ弱い部分もあります。
ただ、アメリカ方面から飛来してくる飛行機が、極東の日本をハブにして、その先の東南アジアとを繋げる「アジアのゲートウエイ都市」になれる最高の立地面を生かした可能性も秘めています。
まとめ
各国がハブ空港化を目指しで力をいれる理由は、飛行機が運行する事によって生まれる
「すべての関係者が行う経済活動が生み出すお金」
それが目当てなのは言うまでもありません。
しかし・・
- 本当に利用者にとって便利なのか?
- 航空会社にメリットがあるのか?
- そして受け入れ先の空港にとって本当に必要なのか?
そのすべてを満たさなければ、上手く行かない複合的な課題かもしれません。
今回も最後までお読み頂き、ありがとうございます!(^o^)丿